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半導体前工程向け製造実行システム(MES)機能要件編

前回は半導体製造で使われているシステムとシステム化のポイントについて解説させていただきました。

→半導体製造で使われているシステムの解説はこちらから

製造業において作業のスケジューリング・生産資源の配分と監視・品質管理・データ収集・保全管理に活用されているのが製造実行システム(MES)です。

→MES(製造実行システム)の記事はこちらから

前工程、後工程、テスト工程では様々なシステムが活用されており、課題改善に役に立っています。

今回は前工程に焦点を当てて、複雑で多くの工程を管理するための6つのシステムとシステム構築時のポイントを3つご紹介します。

1000を超える工程を持つ前工程

前工程では、シリコンウエハー上に微細な回路を階層状に形成していくため「薄膜形成」「リソグラフィ」「加工」などの工程を何度も繰り返し行います。

工程数は400から1000を超えるものまであり、微細化の進歩に伴い増加傾向にあります。

半導体の製造プロセスの中において、前工程は最終的な製品性能や歩留まりに大きく影響するため、各工程管理の重要性がますます高まっています。

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各工程の状況をリアルタイムに把握し管理する6つのシステム

工程を繰り返す中でも、製品の測定結果、設備状態に合わせて温度・湿度や露光時間などの条件を変更し制御する必要があります。

そのために前工程では以下のようなシステムが用いられます。

6つのシステムと効果

システム

概要

期待できる効果

工程管理

生産計画、スケジューリング、実行、モニタリングなどを管理

工程進捗状況・データを可視化し、生産性や品質、コスト、顧客満足度を向上させる

条件管理

レシピ条件と設備設定・作業内容を比較し制御

人為的なミスを抑制し、製品の品質を維持する

仕掛管理

工程における製品の在庫状況をリアルタイムで把握し、リードタイムを分析

ボトルネックとなる工程を特定し、リードタイムを短縮する

試作品管理

試作ウエハーの設計、製造、評価を統合的に管理

試作品の無駄を削減し、開発期間・コストを削減する

APC
(Advanced Process Control)

他ロットの測定結果を基に条件を自動的に最適化・制御

フィードバックやフィードフォワードにより歩留を向上させ、生産性を高める

搬送制御

ウエハー、治工具を最適な場所に搬送指示

搬送を自動化することで、生産性を向上させる

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システムを構築するための3つのポイント

前工程で活用するシステムを構築する上でポイントが3つあります。

1 工程フローの最適化 

・次工程の設備に合わせたキャリア交換やウエハー立替工程の自動発生

・想定通りの加工ができていないウエハーに対してのリワーク

・稼働率向上の為のロット分割・統合の追加

・実験や代替など標準と異なる工程フローへの変更 

2 自動化の促進

・オンライン設備からの着完報告・測定データの収集

・多数な搬送先から最適な搬送先の選択と指示

・ロットや設備の状態に適した作業条件の自動更新

3 精度の高い工程制御

・ウエハー単位でのトレーサビリティの実現

・異常発生時のロットストップ

・製造プロセスのバラつきや経時変化による作業条件へフィードバック・フィードフォワード

これらのポイントに着目したシステムを構築することで、生産性の向上や高品質な製品の安定した生産を実現します。

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さいごに

今回は半導体前工程の複雑な工程状況の把握・管理を支える6つのシステムとシステム構築の鍵となる3つのポイントをご紹介しました。

システムを活用し工程の自動化・効率化を行うことで、生産目標の達成、納期遵守につながります。

複雑な工程を管理する前工程における課題解決は、私たちにお任せください。

次回は構築ポイントに合わせてKISが構築してきたシステムをご紹介します。

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