ERP導入で生産管理の効率を上げる!
紙やExcelベースでの生産管理を行う場合、生産計画や在庫管理、進捗状況の把握を手書きの記録や口頭での報告に依存することになります。
これは生産管理を作業者の経験や勘に頼ることが多く、業務の標準化やデータの一貫性に欠けることになります。
そこで、ERPやMESなどの統合システムが導入され、生産管理のDX化が進んでいます。
統合システムの活用により、リアルタイムでのデータ収集・分析が可能となり経営判断を迅速に行うことができるようになってきています。
さらに近年では生産管理はグローバルなサプライチェーン全体を視野に入れた管理が求められるようになってきました。
今回はERPの視点からこの生産管理についてご説明します。
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生産管理の4つの問題
「生産管理」とは、製造の為の生産計画、製造、お客様先への出荷までの製造工程すべてを管理する業務を指しています。
企業の利益や製品品質の向上、顧客満足度に直結する重要な業務の1つです。
この生産管理にはどのような問題が考えられるのでしょうか?
1.需要予測の精度が低い
需要予測は製品がどの程度売れるかを予測し、その予測に基づいて生産計画や必要な原材料の仕入れ量を決定していくプロセスです。
この需要予測が不正確だと、生産計画や在庫管理に大きな影響が出てしまいます。
過剰生産になってしまえば保管コストの増大や利益率の低下を招いてしまい、
かといって欠品がでてしまえば販売機会の損失につながってしまいます。
2.非効率な在庫管理
製品や原材料の在庫を適切に調整していく在庫管理。
適切な在庫管理は生産活動をスムーズにするだけではなく、キャッシュフローの改善などにもつながります。
高い精度で需要予測が行えていてもこの在庫管理の問題で過剰在庫や不足在庫が発生してしまうと、そのあとの生産活動にマイナスの影響が出てしまいます。
3.非効率な生産計画とスケジューリング
在庫や人員などのリソースを把握し、効率的に進めていくための生産計画は企業の利益に関わる重要なプロセスです。
生産計画やスケジューリングを各拠点ごとにバラバラで行ってしまうと、リソースの過不足や生産の無駄が発生しやすくなります。
特に需要の変動や予期しないトラブルに対する迅速な対応が難しくなってしまします。
4.コスト管理
労務費、設備費など生産コストの管理は利益率を維持するために不可欠です。
かかったコストの正確な実績把握ができていないと、原価計算や今後の予算設定が不正確になってしまいます。
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Dynamics365で生産管理の問題にアプローチ
ERP製品としてDynamics 365を導入することで、上記問題に対して以下のような解決策を講じることができます。
1.精度の高い需要予測
1.履歴データを活用した予測
過去の販売データやトランザクションデータに基づき、統計的なベースライン予測を生成します。
この予測により需要の傾向を把握しやすくなります。
2.機械学習(Microsoft Azure Machine Learning)の利用
Microsoft Azure Machine Learningと組み合わせることで、異常値の除去や予測調整が可能になり、より精度の高い予測モデルを準備することができます。
3.外部要因の考慮
プロモーションや在庫切れの発生などの外部要因を考慮することで、需要予測の精度をさらに上げることができます。
2.効率的なリアルタイム在庫管理
1.在庫追跡の自動化
バーコードやIoTなどを活用して在庫をリアルタイムで追跡します。
手作業を減らして自動化することでエラーを最小限に抑えることができます。
2.需要予測の活用
過去のデータや予測モデルを用いることで、需要の変動を予測し在庫レベルを最適化します。
需要変動による過剰在庫や在庫不足を防ぐことができます。
3.リアルタイムデータの活用
Dynamics 365の在庫管理モジュールを使って複数の倉庫・拠点にある在庫状況もリアルタイムで把握することができます。
サプライチェーン全体の可視化を向上させ迅速な意思決定をサポートします。
3.生産計画とスケジューリングの効率アップ
1. 計画最適化
計画最適化機能は需要予測に基づいて生産計画を自動的に調整します。
在庫レベルを最適化しサプライチェーン全体の効率を向上させます。
2. リアルタイムの進捗管理
リアルタイムで生産の進捗を監視し、必要に応じてスケジュールを調整することができます。
遅延や問題を早期に発見することで、すぐに対策を打つことができます。
3. リソースの最適化
人員や設備等のリソース能力をもとに生産をスケジューリングし、リソースの利用を最適化します。
リソースの過剰使用や空きを防ぎ、効率的な生産が可能になります。
4.適切なコスト管理
1.原価管理モジュール活用
Dynamics 365の原価管理モジュールを使って原材料・半完成品・完成品および進行中の作業資産の評価と会計処理を行います。
在庫や原価における財務会計プロセスを効率化できます。
2.プロジェクト管理と会計の統合
プロジェクト管理と会計機能を統合して、プロジェクトごとのコストを管理することができます。
プロジェクトの進行状況をつかみ、収益性を詳細に分析することで今後の計画に役立てることができます。
3.Power BIとの連携
Power BIと連携させることで在庫や仕掛品在庫の管理情報を視覚化し、時間経過に伴うコストの流れを分析できます。
これらの機能を活用することで、Dynamics 365 を使用した生産計画とスケジューリングの効率を大幅に向上させることができます。
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最後に
現在の生産管理はデジタル技術を活用し、データに基づく柔軟で持続可能な管理が重視されています。
また生産の効率化だけでなく顧客ニーズへの迅速な対応や環境への配慮が求められるなど、生産管理の役割が大きく進化してきています。
Dynamics 365は生産管理における多くの課題に対して強力なソリューションを提供しており、企業がより効率的で競争力のある生産プロセスを実現するのに役立ちます。
KISは製造業向けERPソリューション「Microsoft Dynamics 365 (Finance / SCM) 」を活用し、お客様の業務をトータルサポートいたします。
KISは国内製造業様への豊富な導入実績もございます。
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